秋の干潟2023/09/01 21:16

気象庁では今日から秋、暦の上ではとっくに秋、でも相変わらずの猛暑だ。
先日の記事では別々に撮ったミユビシギとトウネンをアップしたが、今回は一緒にいるところを見ることができた。左のトウネンはわずかに夏羽の名残があり、右足に後趾が見える。右のミユビシギは後趾がない。一緒にいると簡単に区別がつくが、単独だと紛らわしい。

ミユビシギの群れに紛れ込んだトウネン。ミユビシギが飛び去ってもトウネンだけ残って採餌を続けていて、一緒に行動しているわけではないようだ。

飛翔するダイゼン

夏羽から冬羽に換羽中のハマシギ

オオソリハシシギのダンス

フィルム時代の鳥見記録(茨城 菅生沼) コハクチョウ2023/09/04 20:13

1985年2月、コハクチョウを見に菅生沼に行った。野田線の野田市駅から一日数往復しかないバスに乗り、バス停から歩いて30分程の菅生沼に着いてからか、途中だったか、野鳥の会埼玉県支部開催の探鳥会に来られていた方々と出会った。30人程が数台の車に分乗していて、そのうちの一台に載せて頂き、そのまま探鳥会に参加させて頂いた。何か所かのスポットを回り、コハクチョウ(幼鳥が多かった)の他、トモエガモ、カワアイサ等のカモ類や、オオタカ、ノスリ等を見て、落ちていた小さな塊がフクロウのペリットであることを教えて頂いたりもした。帰りの車中からだっただろうか、シラコバトも見ることができた。
一人だけだったらさぞ大変だっただろうと思う。

ヨーロッバトウネン? いやトウネン2023/09/07 20:06

昔汐川干潟でヨーロッパトウネンを見たことがある。といっても、ベテランにそう教えられて見ただけで、識別点を理解して確認したわけではなかったので、ライフリストには加えていない。

後趾が見えないとトウネンとミユビシギの区別も覚束ない身で、ヨーロッパトウネンの識別など出来ようはずもないが、一般的にはティアドロップ型の体型とか、嘴が細長いとか、背のV字模様だとか、トウネンより足が長いとか、尾の先端からの初列風切の突出だとか言われているが、どれも「そう見える場合がある」とか、「明瞭な場合もあり不明瞭な場合もある」ということのようで、結局は総合判断という状況証拠の積み重ねで識別するのだろうか。それともベテランには相貌認識のように一目でわかるのだろうか。

写真のトウネン(ということにしておく)は、初列風切が尾の先端より明らかに突出している。下の写真でも同様である。
嘴の長さについて、嘴の先端から根元に向かって後頭部まで直線を引き(ちょうど目の下を通る)、直線の嘴部分と頭の部分の比率を、ネット上のトウネン4羽の写真と比べてみた。ネット上のトウネンでは、平均値は0.59であったのに対し、写真のトウネンでは、左向きの写真では0.70、右向きの写真では0.66である。完全に真横を向いているとはいえず、姿勢も異なっていて正確ではないにしても、15%ほど長いようである。
でも、完全冬羽ではないとはいえ喉は白くないし、中間羽の軸斑や眉斑がどうなのか知らない。ごく普通のトウネンなのか、ヨーロッパトウネンにちょっとだけ似たトウネンなのか、それさえもわからない。

イロジロトウネンとハネナガトウネン2023/09/10 20:23

左は台風明けの干潟で見た色白のトウネン。右は先の記事のちょっとヨロネン寄りのトウネン。初列風切りは、イロジロでは尾から突出せず(下の写真でも同様)、右のトウネン(以下、ハネナガ)は突出している(特に先の記事の3枚目)。 ハネナガは嘴は細くないし、喉が白くないが、ebird Japanのヨーロッパトウネン(繁殖期成鳥)は喉に明確な斑紋があり、幼鳥2枚目の嘴はハネナガと同じように見える。 ますますわからなくなってきた。

久々の谷津干潟自然観察センター - イソシギ2023/09/11 22:31

台風明けに三番瀬に行った後、ついでに谷津干潟に行ってみた。三番瀬では見ないイソシギが谷津には何羽かいた。イソシギは海よりも内陸にいる印象があるが、なぜイソシギという名前なのだろう。

バードウォッチングから離れていたときも、谷津干潟には何度か来たことがあって、周りを散歩したり自然観察センターの中の食堂で昼食を取ったりした。その頃は、煎茶セットというのがあって、器体からだったか蓋からだったか小さな鳥が飛び出す急須が使われていて、お茶も生菓子も美味しかった。最後に自然観察センターに入ってから二十年ほど経つ。
近頃は犬連れのことが多くて建物には入れないが、その日は自分一人だけだったので、久しぶりに食堂に行ってみようと思い、入館してみた。メニューから煎茶セットはなくなっていたが、「谷津干潟の焼きおにぎりセット」というのがあって、海苔をダイゼンとカニの形に切り抜いてある。急須の鳥も楽しかったが、このおにぎりも楽しい。一人で食べるには少し恥ずかしかったけれど。

フィルム時代の鳥見記録(北海道 落石岬・春国岱・白鳥台) シマセンニュウ2023/09/14 18:42

1985年夏、仕事で札幌に行く用事があり、その前後の週末にウトナイ湖、落石岬、春国岱、白鳥台、霧多布岬などに行った。 札幌から根室に着くと、8月上旬というのに日中17℃程の気温で、さほど離れていない釧路あたりとは全く気候が違う。最初に行った落石岬は、濃い海霧のせいか市中よりもさらに寒かった。経験したことのないような霧の中、木道を歩いている間誰にも会わず、幻想的というか、どこかに迷い込んだような感覚だった。草の露で靴の中までびしょ濡れになったのには閉口した。

その日の落石岬での記録を見ると、アカゲラ、マキノセンニュウ、ノビタキ、シアマオジ、ショウドウツバメ、ベニマシコ、ウソ等20種見ているが、霧で霞んでいたせいか、写真はシマセンニュウしか撮れていない。写真では判別は難しいが、記録にはシマセンニュウと書かれているので、鳴き声で確認したのかもしれない。尾が痛んでいるのか生え変わりの途中なのか不揃いの尾の先に、シマセンニュウに特有の白斑がかすかに見える。

落石岬の後、春国岱に行った。そこでの最大の敵が蚊ということはそれまで知らなかった。立ち止まって双眼鏡を覗いていると、ものすごい数の蚊が集まってくる。あわてて逃げると、自分のシルエットの蚊の塊が一瞬残り、すぐにこちらに寄ってくる。普通、蚊柱はユスリカが多いようだが、蚊も文字通り蚊柱を作ることがあるようだ。とても鳥など見ていられる状況ではなく、すぐに退散し、白鳥台に向かった。春国岱にも人一人いなかった。

写真は白鳥台で見たタンチョウで、水辺に居たので、風連湖畔だったのだろうか。タンチョウがいた所はかなり離れていたと記憶している。
ドライブイン(今ではその辺りに「道の駅スワン44ねむろ」があるらしい)で根室行のバスを待っていると、私の格好を見た相客が、バスは当分来ないからと、車に乗せて下さった。ありがたいことで、当時はそういうことが珍しくなかった。

北海道への行きは苫小牧航路のフェリーに乗り、船上から鳥を探した。記録にはオオミズナギドリ、アカエリヒレアシシギ、ウミネコしか残っていない。札幌に向かう途中、ウトナイ湖サンクチュアリに寄り、シマエナガ、ハシブトガラなど北海道ならではの鳥を見ることができた。

フィルム時代の鳥見記録(北海道 霧多布岬) エトピリカ 今では幻2023/09/15 22:50

落石岬に行った翌日、エトピリカを見たくて霧多布岬(正確には湯沸(とうふつ)岬というらしい)に行った。根室線の駅からバスで30分、バス停から1時間ほど歩いてようやく岬の突端(トッカリ岬)に着いた。霧多布も落石岬同様に霧が濃く、今は廃止された霧信号所の霧笛が大音量で響いていた。遠くで聴くと郷愁を覚えるが、近づくとけたたましい。霧のせいで、写真のエトピリカは霞んでいる。記憶の中のエトピリカは色鮮やかだけど。

上の写真は、岬の先の近くの小島(ピリカ岩というらしい)で、オオセグロカモメが営巣していた。エトピリカがいたのはピリカ岩だったのか、他の岩だったのか記憶が曖昧だが、オオセグロカモメと一緒に写っている。
今では霧多布岬でエトピリカを見るのは難しいらしく、繁殖を促すためにデコイを設置しているらしい。そういう記事を読んで、まさか自分が見たのがデコイってことはないよなと思い、フィルムを調べてみたら、下の写真のようにオオセグロカモメは動いていないけれど、エトピリカは顔を動かしているのでほっとした。デコイの設置は1995年からだそうで(STRIX Vol.17, p12, 1999)、自分が見たのはその10年前なので、いずれにしても生体であることは間違いない。
霧のないときにもう一度エトピリカを見てみたいと思うが、そういう日はもう来ないだろうなぁ。


上の写真は、突端近くのコケシのような岩。

霧多布では、他にケイマフリ、ウミスズメを見ている。

フィルム時代の鳥見記録外国編(西ドイツ・ハノーファー) イエスズメ2023/09/18 19:35

1990年9月、東西ドイツの統一条約調印の翌月、条約発効の前月に仕事でブラウンシュヴァイクに行った折、現地の日本人に連れて行ってもらったハノーファーのグローセン・ガルテンで撮ったイエスズメ。日本のスズメと違って欧米のスズメは人を恐れない。

ベルリンの壁は前年に壊され始めたが一部残っていて、削り落とされた欠片が売られていた。

フィルム時代の鳥見記録外国編(アメリカ・ニューポートビーチ) ハチドリ2023/09/20 19:19

1992年2月、仕事でカリフォルニア州オレンジ郡のニューポートビーチに行ったときに、ショッピングモールでハチドリ(多分)を見た。標準レンズしか持っていなかったので識別できるような写真ではなく、知識もないので種名はわからないが、多分ハチドリの一種だろう。街中をハチドリが飛んでいるとは思いもしなかった。

前年に噴火したピナツボ火山の粉塵の影響で、夕方になるとビーチから見える西の空は真っ赤に染まっていた。噴火から数年間、北半球の気温は0.5℃ほど低下したらしい(東工大ニュース、2019.02.04)。

片足のトウネン2023/09/21 18:57

先日干潟に行ったときに、片足のトウネンを見つけた。右足に青と白のフラッグ状片が付いていて、足の先が無くなっている。傷んだ標識のフラッグのようにも見えるが、あまり近づくわけにもいかなかったので、かなりトリミングしたが判然としない。フラッグ状片とケガとの因果関係も当然わからない。 片足で器用に動いて餌をとっていたが、数日後にはいなくなっていて、仲間と一緒に越冬地に向かって飛んで行ったのだろうか。無事に渡り終えるといいなと思う。
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