キジ2024/01/22 19:28

沼の畔で見たキジのオス。派手なようだけど、草や椿とよく似た色で、意外と保護色になっている。
下の写真は、別の日に、その近くで見たメス。家人が「枯草の中に何かいる」と言うので、指で差された先を探してみても、にわかにはわからなかった。双眼鏡で探してようやくキジのメスとわかった。こちらはオス以上に周りに同化している。
オスとメスが入れ替わっていたら、すぐ見つかっただろうか。
メスがいた近くには、ニホンミツバチの自然巣があった。ニホンミツバチは冬場でも活動するらしい。

ミゾゴイ2023/11/30 21:41

公園の林でミゾゴイを見た。大きな木の裏に入ったり、低木の枝の間にいたりして、なかなか全身を見せてはくれず、葉被り枝被りの写真を撮るのが精いっぱいだった。目の周りと目先に少し水色が残っている。
ミゾゴイはこれが初見で、いわゆるライファーが半年ぶりに一種増えた。
それにしても、近頃のカメラの手ブレ補正機能は優秀だ。焦点距離はFF換算800mmでシャッタースピードは1/15秒という超低速なのに、少なくともミゾゴイの目はブレていない。但し、大抵の場合は、手ブレ補正は効いても被写体ブレはカメラやレンズではどうにもならないので、低SSだとクズ写真の山になってしまう。

ところで、公園の林内には「園路外(樹林地)には立ち入らない」とか、「緑地に入らないでください。・・・小さな自然を踏んでいませんか」と書かれた看板が設置されていて、舗装された園路外は立ち入り禁止になっている。それでも、皆が園路上からミゾゴイを撮っているときに、非舗装地に回り込んで、先にいた人を遮るCMがいて、常連さんに叱られていた。以前、ベンケイヤマガラがエゴの実で誘因されていたところでは喧嘩騒動になったそうで、その後ロープが張られてしまった。別の日には、アオゲラを撮ろうとして樹林の中に入り込み、注意されている人が何人かいた。ロープが無くても園路外は立ち入り禁止なのだから、ロープが張られているところはバードウォッチャーの恥の印だ(昆虫・植物採集家によるものもあるかもしれない)。

因みに、その公園からは「撮影についてのお願い」というお知らせがあって、「撮影目的が、営利・非営利に関わらず、公園の一定の場所を一定の時間、排他的、独占的に使用するような場合」は事前の許可申請が必要で、家族での撮影も対象になる場合がある、ということだ。野鳥撮影が目的の場合、厳密に解釈すると、あるスポットで一定時間動かずに粘ると、必然的にその位置は排他的になるので、事前の許可申請が必要ということになる。

フィルム時代の鳥見記録外国編(西ドイツ・ハノーファー) イエスズメ2023/09/18 19:35

1990年9月、東西ドイツの統一条約調印の翌月、条約発効の前月に仕事でブラウンシュヴァイクに行った折、現地の日本人に連れて行ってもらったハノーファーのグローセン・ガルテンで撮ったイエスズメ。日本のスズメと違って欧米のスズメは人を恐れない。

ベルリンの壁は前年に壊され始めたが一部残っていて、削り落とされた欠片が売られていた。

鳥と茶の湯2023/07/25 21:22

まずはじめに、鳥を愛する方には不快な内容かもしれないことを、予めお詫び申し上げる。鳥を愛でながら、一方でこういう道具を使うとは、我ながらヒトとは罪深いものであると思う。
鳥の羽は、寝具や装身具、あるいは羽ペンや羽箒(はぼうき)などの材料として、洋の東西を問わず昔から利用されている。茶道でも、座箒、羽箒、組小羽根(小羽箒)など、鳥の羽を使った道具が使われる。
上掲の写真は、上から座帚(白鳥)、座箒(不明)、羽箒(野雁)、右側の小さいのが組小羽根(茶器の口などを清めるのに使われる)。

一番大きな座帚(掃込)は、小間での炭点前の最後に畳を清める座掃きと呼ばれる所作に用いられる。写真のものは柄の端から羽先まで55cmある。千家では白鳥の片方の羽で作られたものが使われる。座敷の形式によって右羽、左羽が使い分けられるが、貴重なため、左右はあまり問われないようである。
当然ながら、今では白鳥の翼を手に入れることはできないから、綺麗な座箒を入手するのは困難になっている。

最もよく使われるのは、炭点前(茶を点てるときにちょうどよい湯相になるように、客の前で亭主が炉又は風炉に炭をつぐ点前)で用いる羽箒で、鳥の羽の主に風切羽を三枚(流派によっては一枚)重ねたものである。炉縁、炉壇、五徳、風炉や釜の蓋に散った炭の粉や灰を掃き清めるのに用いられる。
羽箒にも右羽と左羽があり、利休以来千家流では右は風炉に、左は炉に用いると教えられている。そして、左右の区別は、羽軸の両側(羽弁)のうち右側が広い方が右羽とされている。なぜ炉に左羽なのかという理由は教えられていないが、tsubakiwabisuke氏のブログによると、ある裏千家の業躰さんは、地面に摺れている羽(地ズリの羽)は強いから、炉は地摺りの羽箒を使うと言われたそうである(https://rendezvou.exblog.jp/5152150/)。つまり、炉でも風炉でも掃くのに使うのは羽箒の右側の羽弁であるが、炉では羽箒で炉壇や五徳を掃く所作があるから右の羽弁が強い羽(地面に擦れる方)である左羽を使い、風炉には侘茶で主流であった土風炉(素焼きの陶器に漆で塗り固めたもの)には右の羽弁が柔らかい右羽を用いると考えると納得がいく。羽箒師の杉本鳳堂氏は、左右は羽弁の幅ではなく断面形状で考えておられるとのことであり(下坂玉起著「羽箒に関する基礎調査研究」、大日本茶道学会ウェブサイトhttp://www.santokuan.or.jp/wp/wp-content/uploads/2014/12/H19_P24-37.pdf)、上記のことと符合する。 侘び寂びを旨とする表流の道具の中でも、羽箒は比較的鑑賞性の高い華やかな道具だろう。
上から野雁(左羽)、姉羽鶴(右羽)、白鷴、雉、青鸞の羽箒。 アネハヅルは、ワシントン条約の附属書には掲載されていないがツル科全種が附属書IIに掲載されており、セイランも附属書IIに掲載されている。したがって、商業目的の取引は可能であるが、輸出許可書等が必要である。購入者としては、真っ当な茶道具店やデパートで販売されているものは、正規な輸入品から作られたものであると信じる他はない。
オークションや骨董市では犬鷲や島梟の羽箒が販売されている。これらの鳥は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)で、羽やその加工品の売買や所持が禁じられている。同法によれば、例えばトキの羽を拾って自分で所持することは違法ではないが、人にあげると5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処せられるようだ。したがって、貴重な鳥の羽箒は迂闊に買ったり所持したりしないように注意しなければならない。
これらは、掴み羽という道具で、箱炭斗に添えられたり掛軸のほこりを払うのに使われる。

いろいろな伝統工芸で、技の継承の問題だけでなく、天然材料の枯渇や保護のため、古来使われてきた道具の入手が段々難しくなってきている。鳥の羽もその一つだろう。羽箒類は、大事に使い、虫食いに気を付ければ、数100年持つらしい。動植物を保護することが第一であることに疑いはないが、既に現存する道具を後世に伝えていくことも大事なことだと思う。実際、朱鷺の羽箒というものが茶家や香道家に伝わっている。しかし、そのような道具を人に譲渡することが犯罪になってしまう可能性があるとすれば問題だ。法規制前から存在するものにも遡及するのか、相続や一定の管理下での譲渡に例外があるのか、調べ切れていない。

ブログを運営する意味-なぜ書くのか2023/07/13 21:48

この表題で検索すると、多数の記事がみつかる。楽しいから、自分の意見を言いたいから、収益を得たいから等々、目的にもよるだろうが、疑問を持ちながら、悩みながら、続けている人も多いようだ。

今の時代はSNS全盛で、そもそもブログの文章なんか読む人はいなくて、載せられている画像を見るか、欲しい情報だけ拾っているだけで、誰が、どういう思いで書いているのかなんてことには興味がない、と言う見方が少なくないようだ。ごもっともだろう。

私の今のブログは、鳥の写真を見せた人に「ブログとかやっていないの?」、「ただ写真を撮っただけで面白いの?」と言われたのがきっかけで、日記的な意味合いや、過去の情報の整理のための、備忘録として始めたものだ。
しばらく続けているうちに、これまで何気なく見ていた身近な鳥でも、何か書こうと思うと改めて調べてみたり、新しい発見があったりする。ブログとはいえメディアには違いなく、いい加減なことは書けないから、できる限り正確を期そうとすると、ただ鳥を見たり写真を撮ったりしているよりも見方が広がってくる。

また、ブログを始めてから、昔のフィルムをスキャンしておいた画像を拡大して見返してみるようになった。そうすると、鳥が豆粒のようにしか見えなかったボツコマからも、以前は気が付かなかった情報が得られることがある。写真は目的ではなく、鳥の識別の一手段としての意味合いもある。識別には不十分な写真でも、見たときの行動、環境、鳴き声などと併せれば一つの識別情報になる。また、写りが悪くても記録的な意味合いはある。綺麗な野鳥写真を主とするブログにはないような出来の悪い写真をこのブログに載せているのも、そういう理由による(半分はいい写真が撮れなかったことの言い訳だが)。
ということで、過去の情報を掘り起こそうと思ったのも、ブログを始めたおかげだ。

折角時間を割いて書くからには、多くの人に読んでもらうに越したことはないが、そのためにSEO対策に頭を砕くのもどうかと思うし、読まれやすい記事を書く才覚もないから、これからも駄文を連ねることになるだろう。

なぜブログをやっているのか
満たされることはないかもしれない自己満足のため、というしかない。ということで、今日も誰も読まないかもしれない文章を書いている。
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