フィルム時代の鳥見記録(小笠原 その三)母島-オガサワラノスリ・サシバ(?)2023/07/11 19:44

これらの写真は元のフィルム上では豆粒のような大きさで、撮影した1991年当時はしっかりと見ておらず、最近スキャン画像を拡大トリミングして初めて2種の鳥であることに気が付いた。

写真左は、下面の模様、開いた尾の形、翼指が5枚であることなどから、ノスリだろう。東京都環境局ウェブサイト「父島の動植物」には「小笠原唯一の猛禽類オガサワラノスリ」と記載されており、このノスリは亜種オガサワラノスリであることが示唆される。
後述するように、ノスリ以外の猛禽類も小笠原諸島で確認されていることから、先の環境局のサイトの「唯一」とは、渡りや越冬ではなく、繁殖しているものでは唯一ということだろうか。いずれにしても、ノスリは、冬には日本に飛来してくるものがいるらしいが、一般的には漂鳥ということなので、小笠原に亜種ノスリが飛来する可能性は低いだろうから、写真の個体はオガサワラノスリだろう。

写真右は、不鮮明でわかりにくいが鷹斑が認められ、5本の翼指はかなり細く、ノスリではないようだ。鷹斑、翼指、全体的な形状などから、サシバのように思われるがどうだろうか。樋口行雄, 「小笠原諸島の鳥類目録」, Strix, 3:73-87によれば、ミサゴ、チュウヒ、サシバ等が小笠原諸島で記録されたことが記載されている。小笠原自然文化研究所ウェブサイト「小笠原諸島で確認された鳥類」(http://www.ogasawara.or.jp/sample/sample3.html)にも、ミサゴ、オジロワシ、ツミ、サシバ、ハチクマ、チュウヒ等が確認されたことが記載されている。
サシバは3月下旬に父島に立ち寄るのが目撃されていて、冬から春にかけて小笠原には意外に多くの猛禽類が旅の翼を休めるとのことである(小笠原自然文化研究所ウェブサイトhttp://www.ogasawara.or.jp/sample/b3_85.html)。写真の個体を見たのは2月上旬で、サシバであってもおかしくはないだろう。

鳥見記録にはノスリしか記載されておらず、現場で見たときも現像されたフィルムを見たときも、もう1種いたことは認識できなかったようだ。

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