アカハラ、マミチャジナイ?2024/11/08 21:58


10月下旬、公園にアカハラやクロツグミ等の大型ツグミが入った。
鳥を見始めた頃は、大型ツグミも小型ツグミもヒタキ科だったのが、日本鳥類目録改訂第6版(2000年)ではどちらもツグミ科に変更され、第7版(2012年)では大型ツグミも小型ツグミもヒタキ科に変更され、9月に発行された第8版では大型ツグミはツグミ科、小型ツグミはヒタキ科に分かれた。結局、変遷を経て、ルリビタキやジョウビタキのような小型ツグミは標準和名どおりヒタキ科に、ツグミやクロツグミのような大型ツグミもその名どおりツグミ科に分類されることになった。ジョウビタキやルリビタキの名が付けられたのは江戸時代のことで、地鳴きに由来するようだが、その後の形態学的特徴による分類よりも、近年用いられているDNAバーコーディング等に基づく分類と結果が一致しているのは偶々なのか、あるいは先人の知恵なのだろうか。
   
上の写真の個体は少し薄いが頭が黒く、亜種オオアカハラだろう。
   
下の個体は、白い眉斑があり、目の先にも白斑がある。顔が黒くつぶれた画像を補正で明るくしているので、実際の白斑は写真よりも明瞭だと思われ、マミチャジナイのようにも見えなくもないが、BIRDER誌第31巻第11号第25頁の亜種アカハラ雌第1回冬羽のように、白斑のあるアカハラなのかもしれない。

一方、下の個体は、眉斑が比較的明瞭であり、目の下にも白斑があり、上の個体よりもマミチャジナイに近いように思われるが、それでもやはりアカハラだろうか。

シジュウカラガン2024/11/10 19:46


県内の沼にシジュウカラガンが入ったというので行ってみた。動物園から逃げ出した大型の鳥が長年住みついていることで知られている所だ。
   
シジュウカラガンは、以前はカナダガン(Branta canadensis)の一亜種とされていたことがあり、例えば高野図鑑(フィールドガイド 日本の野鳥)では「シジュウカラガンBranta canadensis」と書かれており、標準和名は異なるのに学名はカナダガンと同じになっていて、亜種なのか独立種なのかよくわからない記載になっている。
最近になっても、シジュウカラガンをカナダガンの一亜種と記載しているウェブサイトが散見されるが、日本鳥類目録改訂第8版には。シジュウカラガンはBranta hutchinsii (Richardson, 1832)、カナダガンはBranta canadensis(Linnaeus, 1758)と記載され、現時点では明らかに別の種だ。
   
シジュウカラガンは、下の写真のようにカルガモより一回り大きい位で、マガンよりも大きいカナダガンとは随分大きさが違う。写真の個体は首に白い環があり、首は縮めているのでよくわからないがカナダガンのように白鳥に近い体型ではないようだ。頭頂部が平らで嘴が短いのもシジュウカラガンの特徴だ(環境省ウェブサイト「日本の在来種対策」のパンフレット「求む!目撃情報 特定外来生物カナダガンを探しています」(https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/canadagan.pdf))。
カナダガンは、飼い鳥が野生化した特定外来生物で、野外定着個体が防除されてきた一方、シジュウカラガンは在来種で、環境省レッドリスト(2012年版)には絶滅危惧IA類として掲載されている。
   
「自然観察と生態シリーズ7 日本の野鳥」(小学館)のシジュウカラガンの項には×印(渡来記録がひじょうに少ないもの)が付されていて、昭和50年代には珍鳥だったようだが、一時の絶滅寸前の状態から復活し、現在では定期的な飛来地ではかなりの数が見られるようだ。

シジュウカラガンはライファ―で、目標のライフリスト300種まであと18種になった。

クロツグミ2024/11/14 20:03


先月下旬から今月にかけて、公園でクロツグミが姿を見せてくれた。その間、数羽のアカハラと一緒に榎の実を食べていることが多かった。
クロツグミは三鳴鳥に負けない美しい囀りで知られるが、秋には囀らないのが残念だ。
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