シジュウカラガン ― 2024/11/10 19:46
県内の沼にシジュウカラガンが入ったというので行ってみた。動物園から逃げ出した大型の鳥が長年住みついていることで知られている所だ。
シジュウカラガンは、以前はカナダガン(Branta canadensis)の一亜種とされていたことがあり、例えば高野図鑑(フィールドガイド 日本の野鳥)では「シジュウカラガンBranta canadensis」と書かれており、標準和名は異なるのに学名はカナダガンと同じになっていて、亜種なのか独立種なのかよくわからない記載になっている。
最近になっても、シジュウカラガンをカナダガンの一亜種と記載しているウェブサイトが散見されるが、日本鳥類目録改訂第8版には。シジュウカラガンはBranta hutchinsii (Richardson, 1832)、カナダガンはBranta canadensis(Linnaeus, 1758)と記載され、現時点では明らかに別の種だ。
シジュウカラガンは、下の写真のようにカルガモより一回り大きい位で、マガンよりも大きいカナダガンとは随分大きさが違う。写真の個体は首に白い環があり、首は縮めているのでよくわからないがカナダガンのように白鳥に近い体型ではないようだ。頭頂部が平らで嘴が短いのもシジュウカラガンの特徴だ(環境省ウェブサイト「日本の在来種対策」のパンフレット「求む!目撃情報 特定外来生物カナダガンを探しています」(https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/canadagan.pdf))。
カナダガンは、飼い鳥が野生化した特定外来生物で、野外定着個体が防除されてきた一方、シジュウカラガンは在来種で、環境省レッドリスト(2012年版)には絶滅危惧IA類として掲載されている。
「自然観察と生態シリーズ7 日本の野鳥」(小学館)のシジュウカラガンの項には×印(渡来記録がひじょうに少ないもの)が付されていて、昭和50年代には珍鳥だったようだが、一時の絶滅寸前の状態から復活し、現在では定期的な飛来地ではかなりの数が見られるようだ。
シジュウカラガンはライファ―で、目標のライフリスト300種まであと18種になった。
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